介護タクシー許可を取りたいだけなのに事業目的の変更が必要なの??

介護タクシー事業を定款に定める

株式会社、合同会社、有限会社などの営利法人、NPO法人、一般社団法人などの非営利法人と、様々な会社や法人が存在をしているわけですが、これらの法人においてその運用を取り決めているのが定款と呼ばれるルールブック。

お勤めの一般の方は勿論ですが、ご商売をされている方でも個人事業の方などにおいては少々、馴染みの薄いものかもしれません。

この定款においては会社や法人がどのような事業を営み運営しているのか(もしくは運営して行くのか)を「目的」として定めることになっております。

株式会社や合同会社などの営利法人においては、この目的の定め(記述内容)がひと昔前に比べて随分と緩くなりましたから、設立を専門家などに任せた会社などにおいては、既に記述があるなんていうことも多くなりました。

それでも、歴史のある会社だったり、社長さんがご自身にて設立手続きをしたなんてケースだと逆に入ってないことが多いように感じます。

会社法などを根拠とするルールもありますが、このサイトでは介護タクシー許可を取得して事業開業を目指すことが目的ですから、介護タクシー許可申請の実務上のルールを元にお話をすると、関東運輸局管内の一都七県においては定款の事業目的に介護タクシー事業に関しての定めがない場合には許可を受けることはできません。

介護タクシー事業が定款に定められていない場合はどうすれば良いのか??

では、定款に定めが無い場合には介護タクシー許可は取れないのか?

そんなことはありません。

新たに定款に定める手続きを取り、自社の定款にしっかりと文言を整えれば問題ありません。

ただ、定款に新たな目的を定めるためには会社法などの法令や、定款などの定めに従って変更し手続きを取ることになります。

社長兼株主でしかも一人だけみたいな株式会社であれば、形式的な臨時総会の後にすぐ変更手続きと行きますが、複数の株主がいる場合やNPOなどの特殊な法人の場合には時間がかかる場合もありますから注意です。

いずれにせよ、新たに定款に定めることができれば、問題なく許可を受けることはできますので、安心してください。

介護タクシー事業を事業目的に定めるに適切な文言とは

それでは臨時総会を開いて定款に事業目的を追加しよう!となっても、具体的にどのような文言が必要か悩んでしまいますよね。

でも、関東運輸局管内の一都七県に限っては意外と難しく考えなくても良いかもしれません。

弊所でも相当数の介護タクシー開業サポートを担当させていただき、これに伴って許可申請件数もどんどんと増えておりますが、弊所担当者の目で見て「介護タクシー事業と読み取れるな」と思える文言であれば、全て指摘なしにて許可となっています。

逆にこれは厳しくないでしょうかと思ったものは案の定、指摘を受け、新たに目的を追加しています。

まぁ、せっかくこれから追加するわけなので、正式名称とかで入れておくことをお勧めはしますが、あんまり堅っ苦しいのはイヤだよって方はすこし崩してみてはいかがでしょうか。

あくまでも参考程度なので、責任は持ちませんが、過去の事例としては、

介護タクシー事業を定款の目的に定める際の例示

  • 一般乗用旅客自動車運送事業(一般的な介護タクシーはこれが正式名称)
  • 介護タクシー事業(超ストレートな文言)
  • 介護車両によるタクシー事業の運営(ちょっと遠回しな感じですが許可出ました)
  • 福祉有償運送事業(非営利法人などが白ナンバーにて登録を受ける場合)

余談ではありますが、定款の事業目的変更って登録免許税だけでも30,000円がかかります。

諸々の諸経費を考えれば3万数千円。

更に専門家に任せればこの他に報酬額がかかります。

なので、できることであれば介護タクシー事業だけを見直すのではなく、その他の項目も一緒に見直してしまうことが良かったりするケースが多いです。

弊所も商売なので申し上げる部分もありますが、数万の報酬をケチって数ヶ月後にまた目的変更が生じたなんて方を沢山知っています。

さすがに2回目はミスれないとお越しいただくことが多いわけですが、介護タクシー許可と併せてのサポートの場合には、費用面でも勉強してますので、できることなら一緒に任せていただきたいなぁなんて思っておりますが。

介護タクシー事業を事業目的に定めるタイミングはいつが適切なのか??

本来、事業目的は事業を開始する前に定めることになりますから、介護タクシー事業を運営すると決まったらすぐに定めていただく必要があります。

なので、複数の役員や株主等が存在しているしっかりとした会社(この言い方は語弊があるかもしれませんが)では、物事を決めるだけでも相当な時間や労力を要するため、あまり柔軟な動きが難しいのですが、社長兼株主でやっておられる会社さんなどでは小回りも相当効くはずなので、許可が出てから変更するといった手も無くはないです。

ただこの場合においても、会社として議事決定していることが審査において求められるため、会社としての方向は定まっているけれども具体的な変更手続きは取らないという事態が生じます。

これでも介護タクシー許可の実務から言えば、事業開始(開業)の時までにしっかりと定款に定めが入れば問題なく事業開始できますから、許可を受けることに関しては問題になりません。

しかし、介護タクシー許可は申請から許可が出るまで少なくとも2ヶ月は要しますので、この間は定款変更の手続きを放置することになり、場合によっては罰金(正式には過料)を払わされることになることも考えられますから、管轄する役所などにおいてしっかりと事前の準備や相談をしておくことをお勧めします。

NPO法人などの認可法人は必ず事前の認可や認証が必要

弊所でも介護タクシーを運営したいとNPO法人の代表者様などからご相談や具体的なご依頼をいただくことは少なくありません。

しかし、NPO法人の場合、定款の目的を変更するに当たって管轄する行政庁からの認証が必要となり、法人内での協議だけでは具体的な目的変更手続きを取ることができません。

また、行政機関の認証を必要とする、即ち審査が伴うことを懸念してか、介護タクシー許可を審査する窓口においても認証前の許可については非常に消極的であることを聞いたことがあります。

NPO法人の認可や認証においても一定の要件などがあって、これを基に審査がなされますので、誤ったことをしない限りは認証されないケースは少ないと考えます。

それでも、認証されないケースはあるわけで、あまり経験の無い方についてはこのリスクを背負うのは大変かと思います。

従って、NPO法人の場合には事前に確実に目的を定めてから先に進めることが良いのではないでしょうか。

もっとも、絶対にNGと言うわけではありませんので、あしからず。

参考までに弊所にてNPOの立ち上げから介護タクシー許可の取得までをお任せいただく場合においては、そのほとんどが設立前申請です。

勿論、問題なく許可となり運営を開始しております。

それでもやはりNPOはちょっと、制約が多いでしょうかね。

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